#431 フィルターとしてのメディア

村松(1994)の『女性とマスメディア』では、マスメディアという圧倒的な情報環境によって現実が構成されるという点について触れられています。 最近は若者の間でテレビよりもSNSや動画配信サービスに割かれる時間が増加傾向にありますが、依然として全体の視聴時間数ではテレビが多いという点も踏まえて本書を読み進めていました。その中で、当時と現在で状況が変わっていないと感じた一節があります。 ...

2026-10-15

#396 伝統的なメディアの力

昨日の麻里氏の論文で引用されていて気になった、Danaher and Dagger(2013)を読みました。 この研究では、オーストラリアの大手百貨店が実施した1か月間の割引セールキャンペーンを対象に、多様なマーケティングメディアがそれぞれどの程度良い影響を与えているのかを調査しています。 ...

2026-9-10

#387 ミュートできる社会

8月31日朝刊の「つながり細る沖縄、自治を作り直す起点に 古波蔵契さん」という記事を読みました。 記事の中では、沖縄社会の変化として「政治や基地問題での連帯のゆらぎ、人々のつながりの希薄化、情報空間の分断」が言及されていました。本土に比べると政治的問題を抱えており、「何か問題が起きれば一つにまとまり声をあげるという政治文化は本土よりある」と述べられています。しかし、県民間のつながり意識が希薄化している要因として、東京科学大学の古波蔵契氏が情報環境の変化について述べている箇所がとても印象的でした。 ...

2026-9-1

#378 ニュース砂漠

以前取り上げた、オーストラリアで、IT大手企業に対してニュースの使用対価を報道機関へ支払うよう実質的に義務付ける法案が可決されたというニュースを目にし、新たな動きに少し嬉しく思いながら記事を読んでいました。 ...

2026-8-23

#372 ゼロクリック問題

前回は、オーストラリアの地方メディアが直面する消滅の危機に対し、政府が歯止めをかけようとしている取り組みをご紹介しました。 アルバニージー首相は、健全な民主主義を維持するためにはジャーナリズムへの投資が不可欠だと訴えているそうです。新法案では企業の規模によって適用の対象を決めており、グーグル、メタ、ティックトック、そしてマイクロソフト傘下のリンクトインが対象となる見通しとのことでした。 ...

2026-8-17

#342 方言に世界観をみる

7月18日は「地球ことば村」7月のことばのサロンにて、谷口ジョイ先生の講演「『言語の島』井川(いかわ)でのフィールドワーク」に参加しました。 先生のご著書『ある言語学者の事件簿』は精読というより乱読にとどまっていましたが、本の中での書きぶりよりも、先生のお話し方がとても落ち着いていられて素敵だったことも印象に残っています。 ...

2026-7-18

#280 メディアそれぞれの特性

引き続き、橋元先生の論文の中から、特に印象に残ったキーワードや論点についてまとめておきます。 論文の中では、2024年の兵庫県知事選挙が取り上げられています。パワハラなどの疑惑を告発する文書を発端に、議会から不信任を突きつけられた前知事が選挙で再選を果たすこととなりましたが、その背景にはSNSの活発な利用がありました。橋元先生は、この選挙におけるSNSの活用を論じる中で、SNSが持つ特有の性質について触れています。 ...

2026-5-17

#164 炎上を考える

伊藤(2019)では、いわゆる「炎上」についても触れられています。そこでは、マス・コミュニケーションにおいては、発信された情報をどのように解釈するのかという規則、いわば「コード」が共有されていなければ、同じ情報であっても受け手に同じ意味として伝わるとは限らない、という点が指摘されています。 ...

2026-1-21

#161 マス・コミュニケーション

伊藤(2019)の論文を読みながら、マス・コミュニケーションについて考えています。「マス・コミュニケーション」という言葉はよく耳にしますが、改めて定義を確認してみると、伊藤はこれを「一つの主体から不特定多数の人々に対して行われる、すなわち一対不特定多数の、時空間を超えた情報の伝達」と捉えています。そして、そのマス・コミュニケーションを実現するための装置や仕組みが「マスメディア」であると説明されています。 ...

2026-1-18