村松(1994)の『女性とマスメディア』では、マスメディアという圧倒的な情報環境によって現実が構成されるという点について触れられています。

最近は若者の間でテレビよりもSNSや動画配信サービスに割かれる時間が増加傾向にありますが、依然として全体の視聴時間数ではテレビが多いという点も踏まえて本書を読み進めていました。その中で、当時と現在で状況が変わっていないと感じた一節があります。

「直接経験できることの比重が小さくなり、マスメディアによる間接情報への依存度が高まるということは、メディアの伝える情報―ニュースなどの報道情報に限らず娯楽情報なども含めて-が、現実社会をどうとらえ判断するかの手掛かりとして、きわめて重要な役割を果たすようになることを意味する」

そしてこれに続いて、「メディアは現実の社会をありのままに映し出す鏡というよりは、現実の一部を意味あるものとして取捨選択して流すフィルターのようなものである。メディアの提供するものは、一定の解釈に基づいた、現実とは別のメディア世界なのである」と述べられています。

同章ではその後、マスメディアが提供する情報において、女性や女性に関連するテーマが取り上げられる機会が男性に比べて少ないという事実に触れられています。報道分野にとどまらずテレビドラマにおいても、全体として女性は全登場人物の3分の1程度にとどまることが繰り返し明らかにされてきたそうです。

特に子ども向け番組における主人公も男子や男性が多いとされています。1992年に東京都中野区が小学5年生、中学1年生、中学3年生を対象に行った調査(好きなテレビ番組を2つ以内で答える形式)では、名前の挙がった46のアニメ番組のうち、主人公が男性だったのは33番組、女性は10番組で、残りの3番組が男女両方という結果でした。

これは1992年のデータなので現在は変化しているかもしれないと思いつつも、自分が観ていた作品を思い返してみると、『プリキュア』や『おジャ魔女どれみ』などを除けば、『ポケットモンスター』『名探偵コナン』『結界師』『ドラえもん』など、男性キャラクターがメインの作品が多いかもしれないと感じました。

時代の変化とともにどのように描かれ方が変わってきたのか、改めて考えて比較してみるのも面白いかもしれません。


参考
村松泰子(1994)「女性とマスメディア」『ジェンダーの社会学』放送大学振興会

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ジェンダー, マスメディア