#189 中国語話者の褒め
前回の出来事をきっかけに、中国語における「ほめ」行動について少し調べてみました。楊(2012)では、中国語話者が目上の人に対してどのように「ほめ」を用いるのかについて、大学生を対象としたアンケート調査が行われています。日本語話者としての一般的な感覚からすると、初対面の相手や目上の人は、どちらかといえば誉めにくい対象のようにも思えます。しかし、楊の調査では、相手が目上であっても、ほめ行動の使用率は85%と非常に高いことが示されています。 ...
前回の出来事をきっかけに、中国語における「ほめ」行動について少し調べてみました。楊(2012)では、中国語話者が目上の人に対してどのように「ほめ」を用いるのかについて、大学生を対象としたアンケート調査が行われています。日本語話者としての一般的な感覚からすると、初対面の相手や目上の人は、どちらかといえば誉めにくい対象のようにも思えます。しかし、楊の調査では、相手が目上であっても、ほめ行動の使用率は85%と非常に高いことが示されています。 ...
先日、中国からの留学生の保護者にご連絡する機会がありました。私は中国語がまったくできないため、中国語の先生に通訳をお願いしての国際電話でした。 ...
B&L(Brown & Levinson)のポライトネス理論では、具体的なポライトネス・ストラテジーとして、5つの主要な方略が挙げられています。ここでは、宇佐美(2002)をもとに、その内容を簡単に整理しておきたいと思います。 ...
前回の記事に引き続き、宇佐美(2002)からまとめます。 取り上げたいのは、Brown & Levinson(以下 B&L)のポライトネス理論に対してよく向けられる、「文化差を考慮していないのではないか」という批判に対し、異を唱える形で提示されている「フェイス侵害度見積もりの公式」です。 ...
ポライトネスについて、あれこれ読み漁っています。そんな中で、『月刊言語』に掲載されている宇佐美(2002)の冒頭の説明がとても分かりやすかったので、ここにまとめておきたいと思います。 ...
Leech(1983)の Tact Maxim(気配りの公理) について、まだ理解の途中ではありますが、学びの経過としてここにまとめておきます。 Leech は、Grice の Cooperative Principle が、命題的意味、すなわち what is said や what is implicated(i.e., sense)の解釈には有効である一方で、なぜその言い方が選ばれるのか、すなわち politeness や indirectness、rhetorical choice(i.e., force)を十分に説明しきれないと考えています*。その点について、Leech は次のように述べています。 ...
社会言語学の授業でポライトネスを扱っていたのですが、井上(2021)は「第1章 英語は『独立』志向である」の中で、助言の場面に注目していました。例として挙げられているのが、『千と千尋の神隠し』でリンが言うあの勇ましいセリフ、「いま釜爺のところに行かねえほうがいいぞ」です。しかし字幕では、“I wouldn’t go right now(私だったら今は行かないなあ)” と訳されています。 ...
昨日に続き、Ide(2008)の内容について書きたいと思います。井出は、日本のようなハイコンテクスト文化に西洋のローコンテクスト的な枠組みをそのまま適用すると、見落としてしまう側面があると指摘しています。そこで彼女は、ハイコンテクスト文化で発話を理解する際に考慮すべき3つの要素を、図を使って整理しています。 ...
授業で Scollon and Scollon(1995)の論文を読んでいて、「Politeness(または face)system」についての説明がとても分かりやすく整理されていると感じました。さらに、この論文をもとに発表してくれた学生の話を聞いていて、これは ChatGPT などに英語の言い回しを尋ねたり、メール文面を作成してもらったりするときに、有効なプロンプトを考える上でも重要な視点になるのではないかと思ったので、ここに記しておきます。 ...
Ron ScollonとSuzanne Wong Scollonの “Interpersonal Politeness and Power” を読んでいます。この中で、face(フェイス/面子・面目)の定義や用語整理が非常に明快に書かれていたので、ここにまとめておきたいと思います。 ...