#355 ファミコン敬語
前々回からの続きとして、今回は内藤篤志氏の担当節である「敬語の変化」について取り上げます。 本章では、昭和21年連載開始の『サザエさん』と平成15年の『コボちゃん』という2つの漫画作品を比較し、時代による敬語のあり方の変化を考察しています。『サザエさん』では、母・フネが我が子3人に対して敬語(丁寧語的な用法や自身の品位を保つための敬語)を使っていたり、フネやサザエが波平に対して敬語を使っていたり(当時の男尊的な風潮のあらわれ)、サザエが近所の子供たちにも丁寧語で接していたりと、現代から見ると特徴的な描写が多く存在します。一方の『コボちゃん』では、義理の両親などを除いて家族間では常体語が用いられており、現代人の日常感覚としっくり重なります。このことから、『サザエさん』の描く敬語表現もまた、当時の人々の感覚と一致していたのだろうと推察できます。 ...