#60 ありのままに世界を捉える
『The Cognitive Linguistics Reader』をテキストとして使おうかなと思い、昨日はざっと目を通していました。誤解を恐れずに言えば、言語を通して人間そのものを解明しようとする認知言語学の試みにロマンを感じています。 ...
『The Cognitive Linguistics Reader』をテキストとして使おうかなと思い、昨日はざっと目を通していました。誤解を恐れずに言えば、言語を通して人間そのものを解明しようとする認知言語学の試みにロマンを感じています。 ...
英語で依頼(「手伝ってくれない?」)や誘い(「一緒に飲みに行かない?」など)を表すときに、Do you want to help me? や Would you like to go for a drink? といった表現を使うのが少し苦手だなと感じることがあります。今日はその理由を少し掘り下げてみたいと思います。 ...
2025年9月25日の記事「つねに負け戦の婉曲表現」で触れたように、お手洗いに行くときに「ちょっと行ってくる」と言うときの「ちょっと」は、直接的な表現を避けるためのぼかし表現で、英語では “hedge(ヘッジ)” と呼ばれます(これまで「垣根表現」と訳してきました)。このような言い方は、<排泄>という直接的な行為をそのまま伝えることで相手を不快にさせないための方略として、婉曲表現として定着するに至っています。 ...
昨日に引き続き、今日はヘッジ(hedge)について書きたいと思います。もともとは、ネガティブ・ポライトネス・ストラテジーとしてのヘッジを取り上げるつもりでしたが、Brown and Levinson(1987)を読み直す中で、以前「2025-8-24 本音が言いにくい」で考えた「これ言ったらハラスメントになるかもしれないけど…」のような“逃げ”の前置き表現に関係する部分があり、そちらを紹介したいと思います。 ...
明日の社会言語学の授業では、ガ行鼻濁音を取り上げる予定です。社会言語学では、このような発音の違いを派生や誤りとしてではなく、れっきとした変種や変異として扱い、その背後にあるシステムを見出そうとします。 ...
今学期の英語の授業では、新しい試みとして「千本ノック」を取り入れています。初めての導入なので、私自身もまだ試行錯誤の真っ最中。学生たちにもそのことを伝えたうえで、実験的に楽しみながら練習しています。教室では、声の大きさや表情からも「けっこう楽しんでくれているな」と感じる場面が多く、少しほっとしています。 ...
今日は、談話分析(discourse analysis)の定義を少し整理しておこうと思います。 橋内(1999)によると、談話分析は1960年代から1970年代初めにかけて、言語学だけでなく哲学・心理学・社会学・文化人類学・人工知能研究など、隣接する学問領域での言語コミュニケーション研究から生まれたものです。 ...
昨日の記事では「ディスコース」について整理しましたが、今日はその関連概念であるナラティブ(narrative)を取り上げたいと思います。ディスコースやナラティブなど、語りやことばのまとまりを指す言葉はいくつかありますが、両者の違いが分かりにくく感じられることもあります。そこで今回は、特にナラティブに焦点を当て、その研究がどのような視点や関心のもとに展開されてきたのかを整理してみます。 ...
毎年授業で使用している金星堂の『World Adventures 映像で学ぶ世界の文化と英語』を読んでいて、気になる記号が出てきたので、ここに少し書き留めておこうと思います。この教科書の面白いところは、アメリカやイギリスなど英語を第一言語とする国だけでなく、非英語圏の国々を対象に、著者が実際に現地に赴いて文化を紹介している点です。さらに、現地の人々が英語で質問に答える動画も収録されており、母語の影響による発音の特徴や、個人の癖についても触れています。それぞれの英語の多様性を認める World Englishes の考え方を体現する構成になっています。World Englishes についてはまた別の機会にまとめるとして、今回はそこで登場したダブルコーテーションの意味に注目したいと思います。 ...
昨日取り上げたテキスト『World Adventures 映像で学ぶ世界の文化と英語』は、「国際英語」という授業の中で使用しています。どなたかの文献で読んだか、誰かに聞いた記憶があるのですが、この科目名が単なる「英語」ではなく「国際英語」となっているのは、英語のバリエーションを認める World Englishes の考え方を反映しているそうです(裏は取れていません)。 ...