#85 ひとのことば(3)

昨日から紹介している人間の言語の特徴について、今日は最後の二つをまとめたいと思います。 まず、⑥の転位(可能)性とは、「コミュニケーション行動において、記号をそれが表現するものと、時間的・空間的な距離を置いて使うことを可能にするような特性」のことを指します。つまり、過去や未来、または遠く離れた場所での出来事を語ることができるという点に、この特質がよく表れています。一見すると、ミツバチのダンスも蜜を見つけて、その位置を仲間に知らせるという点で、時間的にも空間的にも転位可能性を持つように見えます。しかし唐須は、ミツバチは回り道をして用を足したりせず、まっすぐに巣に飛んで帰る点において、刺激の制約からは自由になっていないと指摘しています。つまり、ミツバチのダンスは人間の言語のような自由な転位ではないのです。 ...

2025-11-3

#83 ひとのことば(1)

唐須先生は『文化の言語学』の中で、ハケット(Hockett, C. 1958)が挙げた人間言語の特徴をもとに、動物たちのコミュニケーションシステムとの比較を通して、ヒトのことばの特徴を7つにまとめています。 ...

2025-11-1