#437 敬語を広く捉える

井出(1988)の「アメリカ英語の敬語」に関する論考を読んでいたのですが、そこでは日本語特有と考えられがちな敬語の定義を拡張し、日英語における敬語の性質の違いがわかりやすく説明されていました。 ...

2026-10-21

#358 対等にしない「ニナリマス」

以前とりあげた「ファミコン敬語」について、色々と調べてみました。 本多(2006)では、「こちら領収書になります」のような「になります」という表現に注目しています。これは、本来であれば主語の状態変化を表す動詞「なる」が用いられているにもかかわらず、実際には主語が変化していないため、不自然に感じられると指摘されています。こうした表現は、ある種の丁寧さを表すものとしてファミレスやコンビニなどで若い店員がよく用いることから、「ファミコン敬語」と呼ばれています。 ...

2026-8-3

#355 ファミコン敬語

前々回からの続きとして、今回は内藤篤志氏の担当節である「敬語の変化」について取り上げます。 本章では、昭和21年連載開始の『サザエさん』と平成15年の『コボちゃん』という2つの漫画作品を比較し、時代による敬語のあり方の変化を考察しています。『サザエさん』では、母・フネが我が子3人に対して敬語(丁寧語的な用法や自身の品位を保つための敬語)を使っていたり、フネやサザエが波平に対して敬語を使っていたり(当時の男尊的な風潮のあらわれ)、サザエが近所の子供たちにも丁寧語で接していたりと、現代から見ると特徴的な描写が多く存在します。一方の『コボちゃん』では、義理の両親などを除いて家族間では常体語が用いられており、現代人の日常感覚としっくり重なります。このことから、『サザエさん』の描く敬語表現もまた、当時の人々の感覚と一致していたのだろうと推察できます。 ...

2026-7-31

#344 よろしくです!

昨日、名探偵コナンのアニメを見ていた時のことです。作中で安室透がカフェ店員の同僚である梓さんにおつかいを頼むシーンがあり、そこで彼が「よろしくです」と言ったことに少し違和感を覚えました。 ...

2026-7-20

#282 試着前後のやりとり

坂本(2003)は、接客販売における販売員と顧客の対話を分析し、言葉の機能や特定の語彙が購買にいかに効果的に働くかという「言語効力」について定量的な分析を試みています。 ...

2026-5-19

#277 すっぴんの魅力

堀田秀吾先生の著書『戦略的タメ口』の中で、タメ口を「制限コード」として分類している箇所があり興味深く感じました。 これまで私にとって「精密コード」や「制限コード」という言葉は、能力格差を論じる文脈で使われることが多い印象でした。そのため「制限コード」で話すことは、教育を受けていない、あるいは知力が低いといったネガティブな意味で捉えられ、社会的に不利になるという文脈でこの用語に出会ってきました。 ...

2026-5-14

#251 敬語で指標する

池田(2009)の「広告にみる日本の言語世界」では、多種多様な広告を例に、その言語的な特徴が鋭く分析されています。この中では、広告や警告、命令、さらには地図といったサインまでもが「ナラティブ(語り)」として捉えられており、その延長線上で「ジャンル」という概念にまで考察が広げられています。 ...

2026-4-18

#109  ことばを操る現場からの視点

毎月恒例の「地球ことば村」11月のことばのサロンに参加しました。今回は「外務省職員はどのように外国語を学習し、使っているか:韓国語を中心に」というタイトルで、後輩の三上大洋くん(外務省職員・外交官)のお話を聞く機会でした。 ...

2025-11-27

#97 もし敬語がなかったら

最近、井出祥子先生の “How and why honorifics can signify dignity and elegance: the indexicality and reflexivity of linguistic rituals” を読んでいます。読んでいてまず心に残ったのは、先生ご自身が紹介されていたある印象的なエピソードでした。 ...

2025-11-15