#21  ことばもサステナブル

昨日取り上げた「アナロジー」というのは、未知のものを既知のものとして捉える心の働きのことを指します。これはメタファー(隠喩)という言語現象の基盤にもなっています。野村(2014)は、メタファーを「類似性に基づくが、like や ~のような といった指標を含まない比喩」であり、「2つの異なるカテゴリー(領域)が関与している」と説明しています。 ...

2025-8-31

#20  私のまわりの記号たち

昨日に引き続き、動画で触れた内容から、ファッションの広義の記号性について書きたいと思います。時代ごとの流行やスタイルは、社会情勢や経済状況の産物であるという点を取り上げました。たとえば、経済状況とスカート丈の関係や、戦争による資源不足で素材が限られ、女性もジャージ素材を使うようになったこと(シャネルが牽引)などです。 ...

2025-8-30

#19  世界の切り取り方

いのほた言語学チャンネルで、英語の wear について、日本語との感覚の違いを取り上げていただきました。 このテーマは、杉野服飾大学1年生のオムニバス授業でも扱っていて、「言語間の共通性と相違点」のうち、相違点の例として紹介しています。日本語と英語では、何に価値を見出し、どこで意味を切り分けるか、その分節の仕方が異なることを説明しています。 ...

2025-8-29

#18 おまかせにホッとする

昨日の記事では、高コンテクスト文化と低コンテクスト文化の説明をし、実際に招待客に飲み物をすすめる場面でそれぞれの文化がどのように振る舞うかを紹介しました。 ...

2025-8-28

#17 思いやりもいろいろ

前回は、日本の典型的なオフィス空間とそこで生まれるコミュニケーションについてご紹介しました。部署ごとの大部屋で上司と部下が同じ空間で働き、机には仕切りや衝立がないため、電話の内容や雑談が自然と耳に入ってきます。アメリカやドイツのように個別の空間が確保されたオフィスと比べると、「漏れ聞こえる」「察する」といった形のコミュニケーションがより重要になってくるのです。須田(2004)はこれを、日本の高コンテクスト文化を示す好例として挙げていました。今日は、この高コンテクスト文化と低コンテクスト文化の違いについてまとめてみます。 ...

2025-8-27

#16  空間がつくるコミュニケーション

#16 空間がつくるコミュニケーション 昨日ご紹介した「タタミゼ(tatamiser)」という言葉。フランス語では日本風の室内様式を取り入れることを意味しますが、鈴木孝夫先生はそれを空間にとどめず、日本語を通じて日本語的な感覚を持つことにも広げて用いられていました。 ...

2025-8-26

#15 相槌もタタミゼか

知り合いのアメリカ人の先生に、相槌をよく打つ方がいます。 久保田(1998)では、日米を比較したとき、日本人はアメリカ人の約2倍も相槌を打つことが明らかにされています(Maynald, 1986; White, 1989)。また、羅・定延(2015)もこれまでの研究を振り返りながら、日本語は他の言語に比べて相槌が多く、それが「思いやり」行動として理解されてきたことを示しています。さらに、日本語学習者においては、相槌の頻度が日本語力を測る一つの尺度とされてきたことも紹介されています。 ...

2025-8-25

#14 本音が言いにくい

最近、話し手の発話、特に「評価」や「意見の提示」といったものが、ハラスメントやマウントと受け取られて非難される場面が増えているように思います。 ...

2025-8-24

#13 もしもし、読んでいただけますか?

8月22日の『チコちゃんに叱られる』では、「電話で『もしもし』と言うのはなぜか?」という話題が取り上げられていました。答えは「『おいおい』が不快だったから」というもの。その由来については、辞書編纂者の飯間浩明さんが解説されていました。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で辞書編纂の壮絶な過程を見て衝撃を受けたことを思い出します。 ...

2025-8-23

#12 明かすことと隠すこと(2)

昨日の話題に引き続き、今日は自己開示(self-disclosure)について、分かっていることをまとめてみたいと思います。 初対面会話は、お互い未知な状態から始まるため、自分について話すことが必ず求められる場面です。どこまでの情報を公開し、どのように展開していくのか。そうした自己開示のエッセンスを見せてくれるデータだと思います。 ...

2025-8-22