#178 コックニーについて

田中(2005)をもとに、コックニーの特徴について、特に興味深いと感じた点を整理しておきます。 19世紀初頭のイギリスでは、人々の移動が少なく、「地域英語」の種類が非常に多かったとされています。しかし、産業革命が始まると、田園地帯にいた農業労働者が工業都市へと移り住むようになり、地域英語が標準英語へと向かう動きが見られるようになります。18世紀には英語の辞書が出版され、書き言葉の標準化も進展しました。さらに、1870年の教育条例によって初等教育が一般に行き届くようになり、標準英語化はいっそう進むことになります。 ...

2026-2-4

#177 ピグマリオン観劇

本日はお誘いいただき、『ピグマリオン』を観劇しました。ホームページには、以下のように書かれています。 「シェイクスピアに次ぐ英国人劇作家の巨匠であり、ノーベル賞作家であるバーナード・ショーの代表作『ピグマリオン』。1913年にウィーンのホーフブルク座で初演されて以来、今もなお世界中で愛され、上演され続ける不朽の名作――下町の花売娘イライザは、音声学者ヒギンス教授の訓練により社交界デビューを果たし、上流階級の公爵夫人として生まれ変わる。教養を身につけたイライザが選ぶ結末、彼女の幸せとは――人生に選択肢を持って幸せを掴む主人公を描く名作喜劇『ピグマリオン』。」 ...

2026-2-3

#162 変種と配役

小山(2017)の「何を標準語とするか」という記述を読んでいて、とても印象に残った点があります。そこでは、イギリス英語の標準語は、階級や経済と強く結びつきながら形成・再形成されてきた傾向がある一方で、アメリカ英語の標準語は、階級や経済に加えて、人種ともかなり露骨に結びついていることが指摘されています。 ...

2026-1-19

#53  レディのことば

大学で警備員さんと立ち話をすると、思いがけず言語学の話になることがあります。先日は、映画『マイ・フェア・レディ』が話題になりました。警備員さんにとっては「言語学=この映画」という印象が強いようで、その時代にこの作品を初めて観た人々の衝撃を体験してみたかったな、と感じました。 ...

2025-10-1

#24 違いをどう捉えるか

社会言語学について話していたのに、気づけば多くの入門書が最初に取り上げる「変種(variety)」について触れていませんでした。堀田(2013)によれば、変種とは「その中にある程度の変異(variation)が含まれていることが前提とされている」とされます。 ...

2025-9-1

#40  選択するということ

日々は選択の連続です。どんなに小さなことでも、ひとつを選ぶことは、もうひとつを手放すことでもあります。少し寂しく感じることもありますが、選んだものを大切にしようという気持ちも同時に芽生えます。 ...

2025-9-1