#222 テロップの背後に

テレビ番組の文字テロップについて、楊(2025)の論文に基づき先行研究の知見を整理すると、そもそもテロップとは「工学的映像装置(television opaque projector)」の頭文字をとった合成語であり、特に日本のバラエティ番組において頻繁に使用されていることがわかります。 ...

2026-3-20

#186 リフレーミングの実践

リフレーミングの実践が、実際にどのように臨床場面で用いられるのかについて、家族療法家の事例が紹介されています。 一つ目は、6歳の女の子がいまだにおねしょをしてしまうというケースです。寝る前に水を控えるとおもらしの量が減るという報告を受け、セラピストは、おねしょの原因は娘本人に責任があるのではなく、本人とは切り離された「身体」にあるのだと説明します。たとえば、「今日から少し身体を調べましょう。寝る前にお水を飲まないことにしよう。そして朝起きてどうなるか調べよう…」と語りかけることで、問題の所在を「本人」から「身体」へと移し替えます。こうした枠組みの転換によって、状況が解消したという場面です。 ...

2026-2-12

#185 実践的コミュニケーション

リフレーミングについて、岡本(2013)を読みました。 冒頭ではまず、他者への行動変容を促すような、直接的・間接的な働きかけとしての実践的コミュニケーション・ストラテジーは、従来の言語学や会話分析、インタラクション研究においては、やや忌避される傾向があったことが指摘されています。ありのままのコミュニケーションの実態を分析することこそが純粋な研究である、という立場からすれば、意図的に相手の行動や認知に働きかける「技法」を扱うことには慎重にならざるを得なかった、というわけです。 ...

2026-2-11

#120 ミームの構文的な性質

前回に引き続き、Dancygier & Vandelanotte (2017)の論文から、具体的に取り上げられていたインターネット・ミームの例を紹介したいと思います。その一つが “said no one ever”(だれもそんなこと言わない)というミームで、たとえば添付した画像のような形式をしています(以下画像添付)。 ...

2025-12-8

#102 動物園からはじまる

岡本(2016)は、メタ・コミュニケーションの提唱者である Gregory Bateson の思想を踏まえつつ、その継承者の一人とされる Erving Goffman のフレーム概念を改めて検討しています。Bateson(1972)に関して、動物の遊びにおけるメタ・メッセージの交換という問題をめぐって考察されるメタ・コミュニケーション概念の部分について、以下に引用しておきたい。 ...

2025-11-20

#101 メタの再考

月末の語用論学会の発表に向けて、「フレーム」や「メタ・コミュニケーション」といった概念を改めて整理しています。その中で岡本(2016)を読み返していたのですが、「コンテクスト化の合図(contextualization cue)」と「メタ・メッセージ」が、どちらもメッセージの解釈を方向づけるという点で似ており、実際に自分でも混乱してしまったので、ここにまとめておきます。 ...

2025-11-19