11月2日放送のAbema Newsに井上逸兵先生が出演されていました。番組では「コトバが社会を変える?『言い換え』必要性は」というタイトルのもと、様々な例を挙げながら、言葉を変えるべきなのか、なぜ言葉が変わるのか、何が言葉を言い換えさせるのかといった点が議論されていました。
番組内では、時代に応じて言葉が変わった理由について3つのパターンに分けられて紹介されていました。1つ目は「男女平等や女性蔑視の解消」です。これには看護婦から看護師、OLから会社員、保母から保育士、スチュワーデスからキャビンアテンダントへの変更といった例が挙げられます。なお、OLについてはそれ以前に「BG(ビジネスガール)」という呼称もありましたが、英語圏で水商売の女性と誤解される等の危険性があったためOLへと移行していったそうです。気になって少し調べてみたところ、OLという言葉は一般投票によって決まったという経緯もあるようです。
2つ目は「差別や偏見をなくす」という理由で、痴呆から認知症、登校拒否から不登校などへの変更がこれにあたります。そして3つ目は「間違った印象の是正」のためで、成人病から生活習慣病、自殺点からオウンゴールといった例が紹介されていました。成人病から生活習慣病への変更についても、「大人になれば誰でもなるもの」と肯定的に受け止めてしまうのを防ぎ、年代に関係なく生活習慣が深く関与しているという予防意識を高める目的で呼称が改められた過去があるようです。
こうした例や先日このブログでも取り上げた「心中」(#401)などは、組織や政策といった「上からのレベル」での変更だと言えそうです。一方で、みんなが「こちらの言い方のほうが良いから」と感じて自然と変わっていくようなケースも考えられます。
また、言葉の変化のひとつの視点として「嫌な気持ちになる人がいないか」という配慮があることも述べられていました。その一方で、井上先生は言い換えの問題として、「言い換えによって傷つける人を減らし、分かりやすさを求めることは大切だが、その反面、言葉の豊かさやバリエーションが貧弱になっている可能性もある」と指摘されていたのが印象的でした。
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