八代ほか(2009)では、自己開示に関連して「ジョハリ・ウィンドウ」というモデルが紹介されていました。これは自分について話す際に「そもそも自分のことを知っている必要があるが、私たちは意外と自分を分かっていないのではないか」という視点から、自分にどのような側面があるかを説明するためのモデルです。
このモデルでは、「自分自身が知っているか・知らないか」「他人が知っているか・知らないか」という2つの軸を用いて、全体を4つの窓に分類しています。具体的な構成は以下の通りです。
開放の窓:自分も他人も知っている自分
盲点の窓:自分は知らないが他人は知っている自分
秘密の窓:自分は知っているが他人は知らない自分
未知の窓:自分も他人も知らない自分
「開放の窓」が「秘密の窓」よりも広い状態は、自己開示をしっかり行った結果だと言えます。つまり、この「開放の窓」の領域を広げていくことが自己開示の度合いを高めることにつながり、反対に「秘密の窓」が大きい人は自己開示の度合いが小さい状態だと言えます。
また、この2つの窓の大きさが異なる人同士(長年連れ添った夫婦や、上司と部日のような上下関係がある場合は除きます)がやりとりをした場合、お互いに不満が生じる可能性についても触れられていました。例えば、「開放の窓」が大きい人は「相手が心を開いてくれない」「何かを隠しているのではないか」と不満を抱きやすく、一方で「秘密の窓」が大きい人は相手を「自己中心的だ」「私の個人的な話を聞き出したいのだろうか」と勘繰ってしまうといった擦れ違いが起こりやすくなります。
なお、このジョハリ・ウィンドウについてはYouTubeでも様々な解説動画が投稿されており、非常に勉強になりました。例えば、「盲点の窓」を狭めるには他者からのフィードバックを受け入れる寛容さが大切であること(それにより自分では気づかなかった側面を知ることができます)や、「未知の窓」を開拓するには未経験のことにチャレンジしてみるのが有効であること(それによって自分の新しい可能性を発見できます)など、具体的なアドバイスが紹介されていて大変参考になりました。
参考
八代京子・町惠理子・小池浩子・吉田友子(2009). 『異文化トレーニング:ボーダレス社会を生きる』 三修社.
Keywords
自己開示