授業準備に追われる日々で、なかなか余裕のない毎日を過ごしています。今は統語論についての資料をまとめているところなのですが、かつて日本言語学会の夏期講座で挫折しかけた(挫折したといってもよい)苦い経験を、ふと思い出したりしています。
それでも、これまで社会言語学や認知言語学の授業を担当し、生成文法的な考え方と対比させながら位置づけを整理してきたからこそ、今になって理解できることも多く、とても楽しく作業を進めています。そして、言語学者がこの分野にロマンを感じる理由も、ほんの少しですが分かってきた気がします。
面白いと感じるのは、生成文法が掲げる普遍性の解明という目標です。なぜ人間は教わっていない文を話し、環境に合わせて日本語や英語を操ることができるのか。そのシステムの解明や、無限に「文」を創造できる仕組みそのものが探求の対象になっています。
また、文は単に言葉が一列に並んでいるわけではないという点も魅力的です。私たちは確かに時間を追って言葉を一列に発するしかありませんが、実際の頭の中では階層構造になっており、その構造の高さや低さによって意味の違いを説明することができます。
さらに、句は主要部・補部・付加部の組み合わせでできており、動詞句や名詞句、さらには時制句や補文標識句に至るまで、カテゴリーを越えて共通の仕組みが見られます。これは多様な言語にも共通しており、たとえば日本語と英語で主要部の位置が前後逆になるものの、一つの言語内では主要部と補部の順番に一貫性があるという点も鮮やかです。
人間のコミュニケーション能力の解明や、言語を超えた一貫性のある説明に触れるたび、言語ってすごい、面白いと感動させられます。
とはいえ、私の理解はまだまだ浅いので、これからもコツコツと勉強を続けていきたいと思います。
参考
https://youtu.be/UkI4XeiNsAU?si=lcB_5YT9UGspwS8V
https://youtu.be/CYxGKxBZApE?si=eBZwKv6V_PSFgeol
影山太郎, 日比谷潤子, デ・シェン, B., & タツキ, D. (2003). First Steps in English Linguistics: 英語言語学の第一歩. くろしお出版.
Keywords
統語論