多々良ほか(2022)のコラムでは、「相同性(homology)」という概念を用いて、日本語と英語のマンガ表現の比較がなされています。
ここでいう相同性とは、「言語構造や文化的構築物などにおいてみられる構造的並行性」のことを指します。
たとえば英語圏のマンガとして、スコットランドの新聞『The Sunday Post』紙に掲載されている『OOR WULLIE』をはじめ、『Peanuts』や『Sesame Street』などが挙げられています。これらは「定点カメラで状況を全体的に捉えているような画」が多く、客観的把握を中心とした視点の取り方になっています。この表現様式は、英語という言語の客観的な視点と相同性が観察されると説明されています。
一方で、日本のマンガ(書籍では『ドラゴンボール』などが例示されています)は「視点が目まぐるしく入れ替わる」ことが多く、描き手が場面の中に入り込んで臨場的な視点で描く傾向があります。これもまた、日本語が主観的把握を好む言語特性を持っていることと関連していると言えます。
実際の日英の新聞マンガを比較してみるのも分かりやすいかと思います。以下に『OOR WULLIE』のマンガ(画像1)と、東京新聞の政治マンガ(画像2)をご紹介します。
画像1:OOR WULLIE(出典:The Bottle Imp)
画像2:東京新聞の政治マンガ(出典:東京新聞 TOKYO Web)
参考
多々良直弘・松井真人・八木橋宏勇 (2022). 『実例で学ぶ英語学入門:異文化コミュニケーションのための日英対照研究』 朝倉書店.
画像1:https://www.thebottleimp.org.uk/2021/12/we-never-get-ony-fun-here-the-scottish-comic-strip-oor-wullie/
画像2:https://www.tokyo-np.co.jp/article/134510
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コミュニケーション・モデル