「モダリティ」という言葉を自分でも使うことがあるのですが、しっかりと理解できていないと感じ、反省をもとに井上(2015)を読んでみました。
モダリティは「第7章 英語の文法(統語論)」内の「文法カテゴリー」の節で触れられています。文法カテゴリーとは「語や表現の形式を選択する原理の分類」のことで、多くの言語にある程度共通して見られるものです。具体的には「数(number)、性(gender)、格(case)、法/モダリティ(mood/modality)、アスペクト(相, aspect)、時制(tense)、人称(person)」などが挙げられますが、カテゴリー間の境界は必ずしも明確に区別できない場合もあると言われています。
「法」という概念については、「一般に、話し手が話す内容に対して取っている態度」を指すと説明されています。また、「moodはどちらかと言えば文法的な概念であり、modalityは意味的な概念」と言われることも多いようです。英語における前者の例としては、直接法、疑問法、命令法、仮定法などの分類が挙げられます。一方、後者はcan, may, mustなどの法助動詞(auxiliary verb)で表現され、義務モダリティ(deontic modality)(例:can「~できる」)や認識モダリティ(epistemic modality)(例:can「~でありうる」)を表すことができます。
あわせて黒滝(2002)も読んだのですが、モダリティ研究の歴史の長さを実感することになりました。まだ理解が追いついていないため、じっくりと勉強を進める必要がありますが、モダリティが示す「話者の心的態度」の「心的」とはどこまでを指すのか、また英語とは異なり日本語ではどのような形式に観察されるのかという点について、非常に難しさを感じました。さらに、日英語の対照にとどまらず、言語学習において子どもがどの種類のモダリティを先に習得していくのかなどの視点に触れ、素人意見で大変恥ずかしく思いますが、言語の本質的な部分なのだな…と感じました。
参考
井上逸兵. (2015). グローバルコミュニケーションのための英語学概論. 慶應義塾大学出版.
黒滝真理子. (2002). 日英対照・認識的モダリティの研究動向. 言語文化と日本語教育, 5, 87-10.
Keywords
モダリティ