本日の天声人語で気になる話題があり、改めて朝日クロスリサーチで情報を追ってみたのが、世界地図の図示の仕方の問題です。

内容としては、国連総会でこれまで広く使われてきたメルカトル図法から、イコールアース図法に変える議案が採択されたというものでした。9月6日朝刊の記事のイメージ図を参考にすると、二つの図法には以下のような違いがあります。

イコールアース図法

イコールアース図法

メルカトル図法

メルカトル図法

出典:2026年9月6日 朝日新聞朝刊

現在多く使われているのは「メルカトル図法」ですが、「イコールアース図法」のほうが「アフリカ大陸などがより正確な大きさで示される」とのことです。メルカトル図法の場合、北極や南極に近づくほど実際の面積よりも大きく見えてしまい、アフリカ大陸はグリーンランドの14倍の面積があるにもかかわらず、ほぼ同じ大きさに見えてしまいます。

今回の決議案は西アフリカのトーゴが主導したもので、193か国の投票のうち164か国の賛成で採択されました。アフリカ側はメルカトル図法によって自国が小さく示されることに懸念を感じており、法的拘束力はないものの、今回の採択を歴史的な一歩として歓迎しています。

一方で大きく取り上げられているのが、米国が「急進的でイデオロギー主義的な取り組みの一部」として批判し、唯一反対した点です。

2026年6月1日の天声人語では「メルカトルの功罪」と題し、視覚に頼る人間にとって、繰り返し目にしている地図の姿が情報として刷り込まれていく可能性について触れていました。そこでは、欧州でメルカトル図法が広がった時期がアフリカの奴隷貿易の被害期と重なること、そして「大陸が小さく書かれることと偏見は無関係ではない」という駐日トーゴ臨時代理大使の主張も紹介されています。さらに9月16日の天声人語では、「地図は政治における権力の道具である」という言葉も紹介されており、米国が冷戦時代に膨大な数の地図を作り、大国のイメージを広めた背景などが語られていました。

世界地図といえば、いつだったか(高校生のときでしょうか)、授業で「世界地図の中心をどこにするかは国によって異なる」という事実を初めて知ったとき、大きな衝撃を受けたのを覚えています。

私たちは日本が中心に置かれた世界地図に見慣れていますが、ヨーロッパが中心のものもありますし、オーストラリアが中心のものに至っては上下がひっくり返っています(「upside down map」という名前で挙げられていることが多いため、意識的に作られている感があります)。

日本中心の世界地図

画像1: 出典 https://geology.com/world/world-map.shtml

ヨーロッパ中心の世界地図

画像2: 出典 https://geology.com/world/world-map.shtml

オーストラリア中心の世界地図

画像3: 出典 https://www.mcc.mbsrv.net/ria/lounge/nobata/index.html

普段日常で何気なく目にしているものから、自分のモノの見方が無意識のうちに影響を受けているということについて、改めて深く考えさせられました。


参考 https://www.asahi.com/articles/DA3S16547387.html
https://www.asahi.com/articles/DA3S16541077.html
https://www.asahi.com/articles/DA3S16474011.html

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イデオロギー