以前、渡辺(2004)が日本の作文の特徴として、「時系列連鎖型」を挙げているというお話をしました。

この型の大きな特徴は、出来事同士をつなぐ際に「~して、~して」という連用形の接続が多用される点にあります。この「~して」という形は、時間の経過を表すと同時に「理由づけ」の意味も兼ねるため、出来事を連ねて語るのに非常に便利な表現です。

先日、大学院生の時に、レポートのために書き起こした自分の小学校時代の日記を見返してみたのですが、そこにはまさに「時系列連鎖型」の典型的な文章が並んでいました。その「て」の多さたるや……。

実際の私の日記を、少しご紹介します。

小学1年生の「あのね日記」より

7月22日

おとうさん、あのね きょうのごごさかなつかみにいったよ。

そしてマスをつかむよ、そしておじさんがなんかまあるいところであみをもって、そのまあるいところに、あみをいれて、そしてなかにはいけみたいで、さかなをおじさんがとってて、いっぱいさかながとれててびっくりしたよ。

そしておおきいいけのほうまでいって、ばけつをいけにながして、さかながいっぺんにいって、さいしょにいっぴきのさかながはさまって、だからとろうとおもってもとれないから、もういいやとおもって、そしてにひきとれて、にひきしかとれなかったから、さいごにあまったさかなをなでてやって、ないぞうとりをしてるところをみて、すごいなあっておもってそのやりかたは、わりばしをいっぽんくちにさして、もういっぽんさして、くるくるまわしてひっぱると、ないぞうがわりばしにくっついているかんじでひれのなかに、てをつっこんで、ひれのなかにみずをいれて、そしてあとはやいてたべて、すごいおいしかったよ。

小学4年生の日記より

7月29日

六時分…

おきて、朝ごはんをたべました。水着にきがえて、プールに行きました。教えてもらって一時間、九時におわりました。十字はイセタンに行って、おみやげを買いました。ついでにお昼もたべました。おいしかったです!!一時~三時五十分まで、休みました。おやつを食べたら、おふろそうじをしました。ピッカピカです。ピアノもひきました。きふ人のじょう馬、マズルカをひきました。今日はなんかうまくひけたかも。

いがでしょうか。1年生の時の文章は、まさに「て」の連続で出来事がつながっています。4年生になると句点での区切りは見られますが、やはり時系列に沿って行動を並べていくスタイルがよく表れています。

皆さんの日記はいかがでしょうか。


参考

辺雅子(2004)『納得の構造――日米初等教育に見る思考表現のスタイル』東洋館出版社.

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