龍城(2006)を参考に、選択体系機能言語学(Systemic Functional Linguistics, SFL)のエッセンスをまとめていきたいと思います。この理論は、20世紀半ばに英国の言語学者マイケル・ハリデー(Michael A. K. Halliday)によって提唱されました。私たちが日常的にことばを使うとき、そこには必ず目的があり、伝える相手がいて、特定の場面が存在します。SFLは、こうした「ことば以外の事柄」を詳細に勘案しながら、人がいかにして最適な表現を選択しているかを探求し、社会の中で言語が果たしている機能を明らかにすることを目的としています。
こうした視点は、それまでの言語学の歩みとは一線を画すものでした。かつての文献学者たちは、人々が実際に交わす日常の会話を研究対象とはみなしていませんでしたし、20世紀後半の変形生成文法理論においても、現実の会話は断片的な「不完全な言語」として扱われてきました。これらは一般に「形式主義(formalist)」と呼ばれる立場として知られています。しかしハリデーは、最初から「実際に使用されている言語」そのものを対象とする「機能主義(functionalism)」の立場を鮮明に打ち出しました。
参考
龍城正明(2006)『ことばは生きている:選択体系機能言語学序説』くろしお出版.
Keywords
選択体系機能言語学