ジャンル分析について調べていて、深山晶子氏の論文「ジャンル分析に基づいたESPアプローチの実践」(2007年)を読みました。

これまで英語教育とジャンル分析の結びつきについては漠然としたイメージを持っていましたが、特にESP(English for Specific Purposes:専門分野別英語)教育において、ジャンル別のコミュニケーション・ルールの存在を認め、それぞれの分野に適したスキルの習得を目指すという考え方には、学習意欲の観点からも非常に賛成できます。  私は授業でファッション英語を扱っていますが、特定のジャンルとしての英語をどのように効果的に指導するか、いまだにその方法を模索しているところです。

本論文では、Dudley-Evans(1998)の説を引きながら、ESP研究の歴史が以下のように概観されています。

・レジスター分析時代(1960年代):専門用語や語法の分析が中心だった時代。 ・レトリック分析時代(1970年代):分析単位がパラグラフやテキストレベルへと拡大した時代。・ニーズ分析時代(1980年代以降):世界的にESPの認知が高まった時代。学習者の主観的な要望だけでなく、「各専門分野で実際に必要とされている英語はどのようなものか」を分析する視点が導入されました。

深山氏はこの区分に加え、日本における状況として、1990年代以降の新たな時代区分を提唱しています。 Swales(1990)のジャンル分析の登場をきっかけに、日本でもそれまでの科学技術分野に限定されていたESP研究が、法学や医学、経済学など幅広い分野へと一気に加速したことから、この1990年代以降を「ジャンル分析時代」として付け加えてもよいのではないか、と論じられています。


参考
深山晶子. (2007). ジャンル分析に基づいた ESP アプローチの実践. 時事英語学研究, 2007(46), 1-15.Dudley-Evans, T. and St. John, Maggie J. (1998). Developments in English for Specific Purposes. Cambridge: Cambridge University Press. Swales, John M. (1990). Genre Analysis: English in Academic and Research Settings. Cambridge, UK: Cambridge University Press.

Keywords
英語教育、ジャンル分析、ESP