最近は #kawaii を中心に投稿を追っています。見ていて面白いのは、英語圏での “kawaii” の扱いが、すでに辞書レベルでも明確に位置づけられている点です。たとえば OED(Oxford English Dictionary)にも “kawaii” の見出しがあり、その初出例は1965年にまで遡るとされています。見出しは形容詞と名詞の両方で立っていて、以下の定義が確認できます。

adjective 1965–cute, esp. in a manner considered characteristic of Japanese popular culture; charming, darling; ostentatiously adorable.

noun 1986–that which is kawaii; cuteness.

ここから感じるのは、英語に取り込まれた “kawaii” が、単に日本語の「かわいい」を英訳したものではなく、日本のポップカルチャー的な文脈込みの“可愛さ”として理解されているらしい、ということです。さらに名詞としても用いられている点を考えると、「形容(かわいい)」という範囲を超えて、「概念としての kawaii」がある程度定着し、言語的にも概念化が進んでいることがうかがえます。

そして #kawaii と一緒に出てくるタグを眺めていると、(恥ずかしながら私は知らなくて調べてしまったのですが)いくつか気になる語にも出会いました。たとえば #weeb は、日本のアニメや漫画、日本文化に強く傾倒する主に欧米のファンを指すスラングで、もともとは “weeaboo” という蔑称の短縮形として、過度な入れ込み方や「日本人になりたい」的な振る舞いをからかうニュアンスを含むようです。また #coquette は、もともとフランス語由来で「あざと可愛い」「小悪魔的な魅力」と結びつく語ですが、近年のSNS、とくにTikTok周辺では、フリルやリボン、パステルカラーなどを特徴とする、レトロでドーリーなガーリースタイルのトレンド名として使われている印象があります。

こうした共起語やタグの移り変わりを見ていると、同じタグがある程度まで広く使われると“飽和”して、新規性を求めて別の語が次々と当てがわれていくような現象が起きているのではないか、と感じます。とくにSNSではそのスピードが速くて、気づくと置いていかれるような感覚を少し覚えます(もちろん、必死に追いつこうとしているわけではないのですが)。


参考
Oxford English Dictionary

Keywords
ハッシュタグ、ソーシャルメディア