夏休みに入って本格的な一冊。何度も読み返したくなる、ご本人の声が聞こえてくるかのような本でした。厳しくも真実を言われダメージを受ける場面も多々ですが、それ以上に愛が深く、立ち直らせてくれます。

「美醜について」では、

「しかし、つぎに私がいいたかったことは、醜いと損をするということ自体よりは、そういう現実からけっして眼をそらすなということであります。」

「教養について」からは、

「こういうふうに自分の位置を測定する能力、しかも、たえず流動変化する諸関係のなかで適切に行動する能力、そのみごとさが教養というものであります。」

「性について」から、

「…神の前に、理想の前に、羞恥心を失いさえしなければ、大人も永遠に若さを保てるはずです。」

「あとがき」もぐっときたのですが、

「現実がそのとおりにならぬからこそ、それは理想といえるのです。…理想とは、現実が混乱しないための枠であり、ものさしであります。…すなわち整理のための道具、それが理想だともいえましょう。」

そして、私たちはみな

「誰もが、いままで誰一人として通ったことのない未知の世界に旅立っているのです」

他の福田恆存本も読んでみたいと思います。