前回に引き続き、神保町で手にした一冊。以前、東京都写真美術館にて「星野道夫 悠久の時を旅する」の写真展を訪れたことを思い出して、懐かしい気持ちで手に取りました。

著者は大学生のときに、同じく神保町で出会ったアラスカの写真を見て手紙を書き、現地を訪れ、それから自然と共にする人生を選ぶ。星野さんの写真には対象そのものに対する深い愛が映し出されている。アラスカを旅し暮らすことを選択する行動力に憧れつつ、自分も何か自分だけの対象にその愛を注いでいきたいと思ったり。本書の中で印象に残った箇所をひとつ、ふたつ。

「短い一生で 心魅かれることに多くは出合わない もし 見つけたら 大切に… 大切に…」

「人はいつも無意識のうちに、自分の心を通して風景を見る。オーロラの不思議な光が語りかけてくるものは、それを見つめる者の、内なる心の風景の中にあるのだろう」

「ピュアラック、つまり絶対的な幸運など存在するのだろうか。シャッターチャンスとは、やはりどこかで自分の写真を撮る姿勢と関わっているような気がする。つまり、どれだけ撮りたいと思い続けたか。その前を通り過ぎずに立ち止まれるか。そのためにどれくらい待てるのか…。それらのすべてが絡み合い、本来、偶然的な自然の営みの中で起きるシャッターチャンスという瞬間への、不思議な道に続いているような気がするのである。」