神保町の古本屋で手にした一冊。声に出して言いづらいことも、優しく、それでいて鋭く指摘している。
第8話の「みそかごと」では
「結婚式の披露宴が、盛大でにぎやかであればあるほど、なぜか空しくて、その長さにも嘘く臭さにも、義理で出席した客たちが白けきってしまうのは、ここまで公に認められてしまった後の二人の男女の間には、もはや、わくわくも、じんわりも、ひしひしも、かっかもなくなって、いち早く訪れる幻滅と倦怠の予感だけが感じられるので、おめでたいおめでたいと口でいいながら、どこかお腹の中でそんなことないぞと思っているからではないでしょうか」
と、公にしないこと(みそかごと)の魅力について触れている。互いに関心を惹きつけ合う、もしくは魅力的であり続けるために、未知の部分を残しておくこと。これは男女に限った話ではなく、公開をベースとするSNSや日々のコミュニケーションにおいても「どうあるか」を考えさせられる内容だと思いました。